引き続き、QAエンジニアの私がこの本より、一般の方たち向けにかみ砕いていきます。
マネジメントシステム構築のSTEP
◎目的は何か?
自分の組織が向かうゴールは? 例:売上を上げる・迅速なサービス対応etc…
決まったら、組織のみんなに伝えよう!
◎JQA(日本品質保証機構)のアンケートで認証取得の理由
:「競争力の強化(他社との差別化)」「業務の標準化」「社員の意識改革」「自組織の基盤機構」「取引先からの要請」
◎認証取得で期待する効果
- 「業務の標準化・改善」:誰がやっても、同じ品質の製品ができる
- 「社員の意識向上」:いろんな社員が自分らしさを発揮し、働くことができる
- 「社会的評価の向上」:この会社の製品を安心できると思わせられる
◎現状どんな感じ?あるべき姿は?
ここで、組織と規格という言葉が出ますが、
「組織」:今いる現状 「規格」:将来あるべき姿・理想像
ということになります。一気に「規格(理想像)」を一気にやるのは無理です。変えようとせず、まずは足りない部分は?しっかり把握しなければならず、これをギャップ分析といいます。
◎スケジュール策定
- どれくらいの人が対象?
- いつからいつまでやる?
- 現状と規格(目標)の差は?
◎全体に周知・運用
- 運用スタート
- 同時に教育もスタート
- 目的も全社員に知らせる
◎仕組みを改善
- 上手く行かない・時代に合わないときは変えていく
- そのときに見合ったシステム・仕組みに変えていく

構築における担当者(事務局)の役割
ISO事務局:マネジメントシステム構築・運用の担当者
◎主な役割
- 規格(理想像)を理解する⇒仕組みに入れるように導く
- 内部監査・マネジメントレビューなどイベントを仕切る
- 認証機関の窓口
マニュアル・手順書など文書管理、内部監査員の選定・日程調整、マネジメントレビュー資料作成、認証機関(ISO・IECなど)の審査同行、認証機関からの結果の展開や対応など
これらは、設計・品質・生産部門の中にもISO・IECなどの専門がいます。世間に目立つことはないですが、縁の下の力持ちのような存在です。

導入に際してコンサル活用の是非
とはいえ、ISO・IECを自分たちでやるのは難しい会社もあります。そんな会社はコンサルタントを活用することもあります。
◎コンサルタントを活用するメリット・デメリット
〈メリット〉
- 効率的に短期間で構築
- 規格(理想像)の援助してくれる
- 審査の不安の軽減
- 専門家の知見取得
〈デメリット〉
- 費用が掛かる
- 自社に合わないシステムもある
- 任せきりで浸透しない
◎コンサルタント(以下、コンサル)とは?
- マネジメントシステムの事務局・品質・環境管理などの業務経験者が退職後にコンサルに転身する人が多いです
- コンサル&マネジメントシステム審査員の掛け持ちする人もいます
- ただし、自動車業界専門・IT業界専門・食品業界専門・空調業界専門etc…とそれぞれ必要な専門のコンサルを選ぶ必要があります
◎コンサルのサービス
〈タイプ1〉定期的な訪問⇒実情を把握・分析⇒組織に合ったシステム構築
〈タイプ2〉決められたテンプレートに当てはめる
◎自組織にあった支援
コンサルからテンプレートを提供されます。おそらく、「トヨタ自動車」さんのマネに近いものでしょう。しかし「トヨタ自動車」さんは、自動車業界です。IT業界の場合は「トヨタ自動車」さんの全てを模倣するとおかしくなるかもしれません。よって、ピンポイントでコンサルを使うこともあります。

仕組みを運用する上での落とし穴~形骸化~
時間の経過とともに本来の目的に沿わない業務・仕組みとなってしまい、そのままになる『形骸化』があります。
例:不良率を下げるために、数値を記録に残す
⇒しかし、記録に残したものの数値を基に分析しなかった
⇒記録だけ残る⇒分析しない=記録の意味がなくなる
意味のない業務は、やらなくなってしまいます。
◎形骸化しやすい原因:現場の負担が増える、が大半です。
◎形骸化を防ぐ方法
現場の負担を減らす方法を考える・「目的は何か?」を明確にする
- ロット番号のデジタル化
- ICTを用いて工程を追跡etc…
負担を軽減させる方法が、定着する一つです。
そもそも、「目的は何か?」を明確にする必要があります。

審査を受けるメリット
認証機関の審査は受けたくないという企業が多いです。しかしメリットがあります。
◎形骸化を防ぐ「外部の目」
目的に沿わない業務・仕組みが見えるようになります。
◎気づき・参画意識につながる
- 「その仕事・業務は何のために行うんですか」
この質問をきっかけに改善につながることがあります。
- 良好点も評価されたことで、モチベーションが高まることもあります。
第三者から自社の強みと弱みを評価してもらうことができます。

複数の規格に基づく仕組みを運用する
例えば、ISO9001とISO14001を全く違うものとして、運用すると手間がかかります。ですが、ISO9001とISO14001は共通部分があります。
- 1章:適用範囲
- 2章:引用規格
- 3章:用語及び定義
- 4章:組織の状況
- 5章:リーダーシップ
- 6章:計画
- 7章:支援
- 8章:運用
- 9章:パフォーマンス評価
- 10章:改善
ざっくりこんな感じです。下記ブログも同様の記載あります。
「ISOマネジメントシステムが一番わかる」より3 | QAエンジニア&FPキューブ (qa-engine-fine-cube8.com)
共通部分を統合することで、従業員にわかりやすく、経営層が使いやすくなります。重複解消によって、コスト削減・風土の良好化にもつながります。
このような共通部分を統合し、今まで3~4回行っていた審査を1回にまとめることができれば、効率化を図ることにもなります。

以上が第4弾でした。ちょっと端折りすぎた箇所もありますが、こんな感じです。それでは、次回乞うご期待。
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